岡山県南部に児島湖が誕生して約半世紀がたちました。児島湾周辺地域の干拓地の用水不足を解決する対策として計画されたのが児島湾の締め切りでした。それと共に、締め切った堤防により海水を遮断、低湿地の排水、農地への高潮、塩害の被害を防いできました。しかしながら、児島湖流域の都市化に伴い、児島湖は汚水の流れ込む調整池に化してしまいました。昭和60年に指定湖沼としての指定を受けてからは、何とか全国湖沼のワーストランキングから脱するために、国・県・関係市町村が核となり環境保全施策の下に努力を重ねてきました。県民のお荷物となった児島湖を県民のお宝にしなければならない。地域資源としての多目的機能のある児島湖を蘇らせるために、児島湖の湖底に堆積した汚泥を浚渫する児島湖農地防災事業が平成4年度〜18年度まで農水省中国四国農政局により実施されました。でも、ハード面だけでは児島湖は再生しないという考えが、児島湖流域エコウェブの発足に拍車をかけました。

 そこで、環境改善に取り組んでいる住民、行政機関そして企業という、この3本の柱がうまくパートナーシップを組み、実践を通じて児島湖流域の環境保全活動を進めるために、平成15年3月に本会が設立しました。「ウェブ」は児島湖の環境に関心のある方々でネットワークが組めるようにという期待から命名しました。とにかく、「岡山県のかけがえのない財産である児島湖を何とかしたい」、「児島湖が持つ価値を見直し、誇りが持てるようにしたい」、「児島湖周辺における継続的な環境改善運動を推進したい」という願いから設立しました。

 最近の児島湖の水質は、いまだ環境基準をクリアしていませんが、平成12年以降は右下がりの改善傾向が認められます。これからが、児島湖をお宝にする正念場です。児島湖が醸し出す自然環境は、以外と豊かです。投網と夕日の織りなす風景、オオヨシキリが鳴く緑の葭原、おびただしい数のカモ類が越冬する冬景色、銀色のボラのジャンプ等々。

児島湖はどっこい生きています。

児島湖流域エコウェブは、児島湖への関心を深めて頂くために「児島湖読本」を発刊しました。「児島湖周辺の干拓の歴史と産業」、「児島湖の今は」、「どっこい生きている児島湖」、「これからの児島湖」と題する事柄が平易に書かれています。今後は、分冊発刊を計画中です。鳥類編、魚類編、植物編・・・とこれらの分冊を片手に児島湖に訪れて頂きたいと考えています。

今、ひたひたと身近な生活環境に地球温暖化の現象が現れてきました。地球温暖化と水問題は表裏一体です。半世紀の間、人間活動を見続けてきた児島湖は、今後、新たな水問題と戦う我々に救いの手を差し伸べてくれるでしょうか。児島湖に関心を持ってください。児島湖と共に歩みましょう。児島湖流域エコウェブへのご入会をお待ちしております。

児島湖流域エコウェブ会長 沖 陽子